ブログのリライトとは、既存の記事を見直し、内容や文章構成を修正・追記・削除するなどして記事をより良いものにブラッシュアップすることです。
しかし、リライトは目的を明確化せず自分の感覚だけでおこなっても、十分な効果を得ることができません。
そこで本記事では、ブログ記事をリライトする目的や具体的なリライトの流れなどについてくわしく解説します。
リライトの注意点や便利なおすすめツール、SEO評価を高めて検索順位を改善するコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- ※本記事で紹介している情報は執筆時点のものであり、閲覧時点では変更になっている場合がございます。また、ご利用の環境(ブラウザ、サーバー、プラグイン、テーマ、またはそのバージョンや設定、WordPress本体のバージョンや設定など)によっては本記事の情報通りに動作しない場合がございます。あらかじめご了承ください。
目次
ブログ記事のリライトの目的は?
ブログ記事をリライトをする際は、まず「リライトで何を改善させたいか」という目的を明確にする必要があります。
まずは、リライトの目的について解説します。
検索順位を上げる
ブログをリライトする最大の目的は「検索順位を上げる」こと。
記事が検索結果に上位表示されると、ユーザーの目に留まりやすくなるためアクセスが増加し、収益アップにもつながります。
ちなみに、WebサイトをGoogleやYahoo!などの検索結果に上位表示させる施策をSEO(検索エンジン最適化)対策と呼びます。
いくら頑張ってリライトしても、SEO対策が不十分なままでは、アクセスも収益も伸びません。
特にブログを開設したばかりの時期に書いた記事は、SEO対策が不十分なことがほとんど。
以下のポイントを見直し、SEO対策を強化しましょう。
- 内部リンクを追加する
- 見出しタグ(h1・h2・h3など)を正しく使う
- タイトル・見出しにキーワードを適度に入れる
- メタディスクリプションを記述する
- 適切なサイズの画像を使う
- 画像のalt設定を行う ……など
「そもそもSEOとは何か」については、初心者向けにSEOを解説した下記の記事を参考にしてください。
【初心者向け】SEO対策とは?基本から具体的施策までわかりやすく解説
- WordPress運営のコツ
具体的な内部SEO対策(HTMLやメタタグ、サイト構造や内部リンクなど、サイト内部に施すSEO対策)については、下記の記事にくわしく解説しています。
内部SEO対策とは?外部SEOとの違いや具体的な16個の施策を解説
- WordPress運営のコツ
クリック率を上げる
リライトでは「クリック率(CTR)を上げる」ことも目的の一つです。
検索結果に表示されても、クリック率が低いとアクセスにつながりません。
記事毎・キーワード毎のクリック率は、Googleサーチコンソールで確認することができます。
クリック率が低い記事は、記事タイトルやメタディスクリプション(検索結果でタイトル下に表示される文)をユーザーの目を引くものに変更することで改善が可能です。
本文を大幅に変えなくても小さなリライトで改善の見込みがあるため、少ない手間で効果の大きいリライトだといえます。
また、クリック率が上がると検索エンジンからの評価も上がる可能性が高く、結果的に検索順位も改善されることが多いです。
成約率を上げる
「成約率(購入してもらえる確率)を上げる」ことを目的にリライトすることもあります。
いくらアクセスを稼いでも、商品が売れなければ収益にはなりません。
以下の点を意識しながらリライトし、成約率の改善を図りましょう。
制約率を上げるリライトのポイント
- ペルソナ(ターゲット)を再度見直す
- 検索意図を再調査し、ユーザーを満足させる内容にする
- 商品(サービス)を変える
- 広告(商品リンク)の位置を見直す
- マイクロコピーやベネフィットの訴求など、セールスライティングを加える
商品を紹介する際、単にスペックやお得感だけを強調しても、なかなかユーザーに購入してもらえません。
ユーザーの検索意図(解決したい悩みや問題)に寄り添い、不安や疑問を取り除きつつ「その商品を購入するとどんな明るい未来が待っているのか(ベネフィット)」も忘れずに伝えましょう。
セールスライティング(物を売るためのライティング術)が足りていない場合は、下記のような訴求を加えることも大切です。
セールスライティングの例
- 商品・サービスのベネフィットを伝える
- デメリット(+フォロー)も伝える
- 他の競合商品と比較する
- 冒頭でユーザーの共感を得る文章を加える
- Q&Aなどでユーザーの不安・疑問を取り除く
- 購入への導線は短く、わかりやすくする
- マイクロコピーなどで今買うべき理由を与える
成約率を高めるのに効果的なセールスライティングについては、下記の記事を参考にしてください。
セールスライティングとは? 購入につなげる文章術、文章テンプレートを解説
- WordPress運営のコツ
情報のフレッシュネスを保つ
「情報のフレッシュネス(鮮度)を保つ」こともリライトの目的として重要。
一度書いたまま放置してしまうと、情報はどんどん古くなります。
古い情報をそのままにすると、ユーザーに誤った情報を伝えてしまうリスクがあり、検索エンジンからの評価も下がりやすいです。
たとえば、紹介していたノートパソコンの生産が終了した場合、ノートパソコンを探しているユーザーに新製品の情報を提供する必要があります。
書いたあとも定期的に見直しをおこない、つねに最新の情報をユーザーに伝えるようにしましょう。
SEOに効果的なブログ記事リライトのやり方
続いて、SEOに効果的なブログ記事のリライト方法を解説します。
リライトする記事を選ぶ
まずはリライトする記事を選びます。
たくさんのブログ記事の中からリライトの優先度を決めるには、下記のポイントに注目してください。
- 検索順位が11~50位の記事
- 順位のわりにクリック率がイマイチな記事
- 商品の成約率がイマイチな記事
- 情報が古くなった記事
記事のアクセス数・収益を大きく伸ばしたいのであれば、少なくとも検索結果の1ページ目(上位10位以内)には入らなければなりません。
検索順位が11~50位くらいの記事であれば、リライトすることで1ページ目に順位が上がる可能性が高く、少ないリライトでも効果が得やすいです。
51位以下の記事はそもそもGoogleから評価がかなり低く、大幅な書き直しが必要で効率が悪いので、優先順位が低くなります。
また、10位以内に入っているにも関わらずクリック率(CTR)が低い記事も、リライト候補としてねらい目。
検索結果におけるクリックに影響する要素は記事タイトルとメタディスクリプションの2つだけです。
この2つを見直すだけで、クリック率が改善しアクセスが増えることも多いため、とても効率の良い方法です。
キーワードの検索意図を再確認する
リライトしたい記事を選んだら「検索意図」を再確認しましょう。
キーワードの検索意図と記事の内容がズレていると上位表示ができないため、検索意図の確認はとても重要な要素。
また、時間が経過することでユーザーの検索意図が変化することもあるので、定期的な検索意図の見直しが必要となります。
キーワードの検索意図は、以下の方法で把握できます。
- 関連キーワードを調査
- 検索上位の記事(見出し構成など)を調査
- バーティカル検索やSGEなどをチェック
関連キーワード(サジェストキーワードや再検索キーワードなど)は、検索意図を把握するためにとても大きな手がかりとなります。
関連キーワードについては下記の記事でくわしく解説しているため、合わせてご確認ください。
関連キーワードとは?調査方法やSEO対策での活用について
- WordPress運営のコツ
検索上位に表示されている競合ページをチェックするのもおすすめ。
上位表示されているということは、現時点で検索エンジンから「ユーザーの検索意図を満たしている」と評価されているということです。
自分の記事と見比べて、検索意図がズレていないか、不足しているトピックがないかをチェックしましょう。
ただし、競合上位と同じ情報にするだけでは評価されませんので、自分なりのオリジナリティ(独自要素)を加えつつ、より良い記事に仕上げる必要があります。
また、検索結果ページのバーティカル検索やSGE(Search Generative Experienceの略。生成AIによる端的な回答)を見ることで、検索意図を把握するヒントになります。
検索順位があがらない場合、キーワードや記事の中身がユーザーの検索意図とズレていることが多いので、上記の作業はとても重要。
たとえば「ブログ」の再検索キーワードでは「ブログとは何か」という基礎知識だけでなく「作成方法を知りたい」というニーズが読み取れます。
また「ブログ どこがいい」といったキーワードもあり「おすすめのブログ作成サービスを知りたい」という検索意図があることもわかります。
検索意図を再確認し、足りない情報があれば追記したり余計な情報があれば削ったりすることで、検索順位が上がる可能性が高まるでしょう。
目的に沿ってリライトする
検索意図を再確認したら、今回のリライトの目的が、前述した下記のどれに該当するかを決めましょう。
そのリライトによって何を改善するのか?をあらかじめ明確にしておくことで、効果測定もしやすくなり、今後の改善にも役立つでしょう。
目的によってリライトする箇所も異なるので、目的に沿った効果的なリライトが可能になります。
公開日を最新の日付に変更する
リライト後は、記事の公開日時を最新のものに変更しましょう。
キーワードによって違いはあるものの、ユーザーの多くはフレッシュな情報を求めており、記事の公開日時を見て情報が新しいか判断する人もいます。
たとえば、記事のタイトルが「【最新版】ブロガーにおすすめのマウス5選」でも、公開日時が3年前だと最新の情報として信用できませんよね。
公開日時を変更すると、掲載している情報が新しいこと、定期的に情報を更新していることをユーザーや検索エンジンにアピールできます。
(ただし、ただ日時を変更するだけでは意味がないので注意)
WordPressを利用している場合、編集画面で公開日時を変更できるので、リライトしたら絶対に変えましょう。
インデックス登録をリクエストする
リライトした記事を公開したら、Googleサーチコンソールからインデックス登録のリクエストをしましょう。
Googleに記事を評価してもらうには、検索エンジンにページを見つけてもらい、データベースに登録されなければなりません。
このときインターネット上を巡回し情報収集するボットを「クローラー」、データベースに登録されることを「インデックス」と呼びます。
クローラーは定期的にWebサイトを巡回するため、もしリライト後に何もしなくても、いずれはインデックスされます。
ただし、インデックスに時間がかかると、その分リライトの効果が表れるのも遅くなります。
インデックス登録をリクエストすることで、クローラーの巡回が促されてインデックスまでの時間も短縮されるので、リライトの効果がより早く表れます。
WordPressをGoogleサーチコンソール連携する方法については、下記の記事を参考にしてください。
【最新版】WordPressをGoogleサーチコンソールに登録・設定する方法!
- WordPressの使い方/操作方法
ブログをリライトする際の注意点
ブログ記事をリライトする際は、以下の2点に注意しましょう。
リライトで検索順位が下がる可能性がある
残念ながら、ブログ記事をリライトすることで検索順位が下がることもあります。
100%順位が改善するとは限りません。
大規模なリライトをする前は、順位が下がった場合に備えて、元の内容のバックアップをとっておきましょう。
記事数が少ないうちは新規記事を執筆
ブログを開設して間もない時期は、リライトよりも新規記事の執筆を優先すべきです。
まだ記事数が少ないうちは、ドメインが弱く検索エンジンもあなたのブログを正しく評価できていないことも多いため、リライトの効果を検証できる段階ではないでしょう。
目安としては、記事数がおよそ50本を超えるまではリライトよりも新規記事を増やすのが理想です。
記事数が増えたら、過去記事をこまめにメンテナンスして情報の鮮度を維持し、ブログ全体の質を上げましょう。
記事が増えてからも新記事執筆ばかり続けると、メンテナンスが行き届かなくなりブログ全体の質が低下する可能性があるので要注意。
自分の目の行き届く範囲で、ブログ全体をより良い状態になるよう管理することが重要です。
ブログのリライトに役立つツール
ブログ記事のリライトに役立つ便利なツールを4つ紹介します。
Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールは、Googleが提供しているSEO管理分析ツール。
サーチコンソールでは主に以下のデータを確認できます。
- Google検索からのアクセス数
- 評価されているクエリ(キーワード)
- クエリの検索順位
- 検索結果上のクリック率
- Googleからの通知やペナルティの有無
- インデックスの状態
- ユーザビリティの状態
- セキュリティ上の問題の有無
- 内部リンク・外部リンク
狙ったキーワードの検索順位や、上位表示を狙えそうな他のキーワード、クリック率が低い記事などがわかり、リライトするべきブログ記事の選定や効果測定に役立ちます。
完全無料で設定も難しくないので、ブログを開設したら必ず導入しておきましょう。
GA4
GA4(Googleアナリティクス4)は、Google公式のアクセス解析ツール。
主に以下のデータを確認できます。
- ユーザーの属性
- ユーザーの閲覧環境
- ブログ全体・各記事のアクセス数
- ブログへの流入経路(Google検索以外のものも含む)
- ブログ内でユーザーがおこなった行動(ページ遷移など)
以前は「ユニバーサルアナリティクス(UA)」として運用されていましたが、2023年7月でサポートが終了し、新バージョン(GA4)に完全移行しました。
旧バージョン(UA)からGA4への移行で、主に以下の5点が変更されています。
- 複数デバイス・Webサイトとアプリをまたいだ分析が可能に
- 機械学習を使った分析や行動予測が可能に
- アクセスの単位が「セッション」から「イベント」に
- 「直帰」の概念が廃止
- 新指標「エンゲージメント」が追加
上記変更により、GA4では旧UAで頻繁に発生していた重複カウントがなくなり、ユーザーの行動をより正確に把握できるようになりました。
なおGA4は、1アカウントの月間ページビュー数が1,000万件未満であれば、無料で利用できます。
先ほど紹介したサーチコンソールとも連携可能なので、セットで導入して記事のリライトに活用するのがおすすめです。
GA4の始め方や使い方は、下記の記事にくわしく解説しています。
【2022年版】Googleアナリティクス(最新GA4)の使い方を徹底解説
- WordPress運営のコツ
ラッコキーワード 見出し抽出(上位20サイト)
ラッコキーワードの見出し抽出(上位20サイト)機能では、入力したキーワードで上位20位に入っている競合サイトの、タイトル・メタディスクリプション・見出しを確認できます。
上位記事の記事構成や、自分のブログ記事に不足しているトピックを確認するのに便利です。
ラッコキーワードは「見出し抽出(上位20サイト)」以外にも、SEO対策やコンテンツ制作に役立つさまざまなツールを提供しています。
- 記事タイトルの提案
- 関連する疑問の提案
- 関連ワードの提案
- サジェスト(Google・YouTube・Bing・楽天・Amazon)
- Q&Aサイト(知恵袋など)
- ニュース/話題の記事
- Googleトレンド
- 周辺語・連想語
- 類語・同義語
- 共起語(上位20サイト)
- 関連ハッシュタグ
- 月間検索数
なお、ラッコキーワードにはフリープラン(無料版)と有料プランがあります。
フリープランは大半の機能を利用できますが、検索回数に上限があり、キーワード調査で重要な指標「月間検索数」の調査もできません。
有料プランは月額440円(税込)〜と低料金で利用できるので、月間検索数や検索流入キーワードも調べたい人は加入するのがおすすめです。
ラッコキーワードの登録方法や使い方は、下記の記事を参考にしてください。
【完全攻略】ラッコキーワードの登録方法から使い方までわかりやすく解説
- WordPressの始め方
ヒートマップ
ヒートマップとは、ブログ内の読まれている場所や読まれていない場所、クリックされている箇所などをサーモグラフィのように可視化するツール。
ニーズの高い情報をよりくわしく書き足したり、不要な情報の削除、リンク位置の調整などを行うのに便利です。
ヒートマップツールは、以下のようにいくつか種類があります。
- Aurora Heatmap(WordPressプラグイン、一部無料)
- Clarity(Webサービス、完全無料)
- User Heat(Webサービス、一部無料)
- ミエルカヒートマップ(Webサービス、一部無料)
それぞれ細かい機能に違いがありますが、自分の勘だけに頼らず、根拠を明確にしてリライトをおこなうのが有効です。
予算や求める機能に合ったものを選びましょう。
ブログ記事リライトのやり方まとめ
本記事では、ブログ記事のリライトについて解説しました。
ブログ記事のリライトを行う際は、リライトによって何を改善したいのか、「目的」を明確にする必要があります。
ブログ記事をリライトする手順としては下記のとおりです。
ブログ記事のリライトは難しくとらえられがちですが、本記事を参考に進めれば誰でも、SEOに効果のあるリライトをすることができます。
最初は完璧にできなくても問題ありません。
回数を重ねていくうちにコツがつかめるので、まずはリライトしやすい記事から始めてみてくださいね。
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