「ロングテールキーワード」とは、検索キーワードのなかでも、検索ボリュームは少ないものの、非常にたくさんの種類が存在する、複数の語句を掛け合わせたキーワードのことです。
SEO対策に重要な役割を果たすキーワードで、競合が少なく上位表示させやすい、コンバージョン率が高いなど、さまざまなメリットがあります。
ブログやアフィリエイトサイトなどの個人メディアでも上位表示させやすく、うまく活用することで集客や収益化にとても有利に働きます。
本記事では、ロングテールキーワード戦略のコツと、SEOに効果的なロングテールキーワードの選び方を解説します。
- ※本記事で紹介している情報は執筆時点のものであり、閲覧時点では変更になっている場合がございます。また、ご利用の環境(ブラウザ、サーバー、プラグイン、テーマ、またはそのバージョンや設定、WordPress本体のバージョンや設定など)によっては本記事の情報通りに動作しない場合がございます。あらかじめご了承ください。
目次
SEO対策でロングテールキーワードが重要な理由
ロングテールキーワードは、WebサイトのSEO対策において重要な役割を果たします。
キーワードの種類やそれぞれの特徴について理解を深めることで、Webサイトのアクセスを効率的に増やすことができ、結果的に収益の改善にもつながります。
ここでは「ロングテールキーワードとはなにか?」についてくわしく解説します。
ロングテールキーワードとは?
ロングテールキーワードとは(正確な定義はないものの)以下のようなキーワードを指します。
- 複数の語句のかけ合わせで構成されている
- 検索ボリュームが少ない
たとえば「ブログ アフィリエイト やり方」というキーワードは、月間の検索ボリューム(検索回数)が約350回と少なく、
「ブログ」「アフィリエイト」「やり方」と、3つの語句の組み合わせになっているので、ロングテールキーワードといえます。
ロングテールキーワードは大手Webサイトや企業サイトが拾いきれないようなニッチなキーワードであるため、競合状態も厳しくなく、検索上位に表示させやすいといえます。
ブログやアフィリエイトサイトなどの個人メディアがSEOで集客するためには、ロングテールキーワードの活用が必須なのです。
ミドルキーワード・スモールキーワードとの違い
ロングテールキーワードと関連する言葉に、以下の3つがあります。
- ビッグキーワード
- ミドルキーワード
- スモールキーワード
それぞれロングテールキーワードとの違いは以下のとおりです。
検索ボリュームの目安 | SEO難易度 | |
---|---|---|
ビッグキーワード | 1万以上 | 高い |
ミドルキーワード | 1,000~1万 | 中程度 |
スモールキーワード | 1,000未満 | 低い |
ロングテールキーワード | 1万未満 | 比較的低い |
検索ボリュームが非常に多い検索キーワードをビッグキーワード(またはビッグワード)と呼びます。
おもに1つの語句で形成され(単一ワード)、検索上位に表示できれば多くのアクセスが期待できますが、
種類が少ないうえに狙っている競合も多いため、なかなか上位表が難しいキーワードです。
ミドルキーワード(またはミドルワード)は、ビッグキーワードよりも検索ボリュームは小さいものの、スモールキーワードよりも検索ボリュームが大きいキーワードです。
ビッグキーワードよりも競合環境はゆるいため上位表示させやすく、スモールキーワードよりも大きな流入を見込めるでしょう。
スモールキーワード(またはスモールワード)はミドルキーワードよりもさらに検索ボリュームが少ないキーワードです。
一般的にロングテールキーワードとは、ビッグキーワード以下のミドルキーワード(もしくはその一部)とスモールキーワードの総称として定義されることが多いです。
上の図のとおり、ビッグキーワードに比べて長い(ロング)尻尾(テール)のように見えることから、そう呼ばれています。
ちなみに「ニッチキーワード」もロングテールキーワードの別称です。
ロングテールキーワードのメリット
ロングテールキーワードを活用することで、SEO対策を有利に進めることができます。
ここではロングテールキーワードのメリット(利点)についてくわしく解説します。
上位表示させやすい
検索ボリュームの少ないロングテールキーワードは、競合が少なく上位表示させやすいというメリットがあります。
E-A-T(専門性・権威性・信頼性)が高いWebサイト(企業の公式サイト・オウンドメディア・専門機関サイトなど)は検索ボリュームの大きいビッグキーワードでも上位表示させられるため、
わざわざ検索ボリュームの小さいロングテールキーワードを狙うメリットはあまりありません。
逆に、ブログやアフィリエイトサイトなどの個人メディアや、開設したばかりでドメインが育っていないWebサイトは、ビッグワードで検索上位に表示させることは難しいでしょう。
そのため、ロングテールキーワードを狙った記事をコツコツと量産することが基本戦略となります。
ロングテールキーワードは強い競合が少ないため、質の高いコンテンツであれば、ブログやアフィリエイトなどの個人メディアでも上位表示できるチャンスが十分にあるのです。
コンバージョン率が高い
ロングテールキーワードは複数の語句の組み合わせになっているため、より検索意図が顕著に現われており、コンバージョン率の高いキーワードを簡単に見つけることができます。
- ※コンバージョン率(CVR率)とは、成果達成率のこと。Webサイトの訪問者が「Webサイトの目的」となる行動をした割合を数値化したもの。
- ※Webサイトの目的(コンバージョン)とは、来店・資料請求・お問い合わせ・商品購入・会員登録などが該当する。
たとえば「エアコン」はビッグキーワードですが、「エアコン」の1語で検索する人のなかには、エアコンの意味を知りたい人・新しいエアコンを購入したい人・壊れたときの対処法を知りたい人…… なども含まれているでしょう。
つまりビッグワードには複数の検索意図が含まれている(検索意図を明確に把握しにくい)ため、コンバージョン率は高くありません。
一方、ロングテールキーワードの「エアコン クリーニング 大阪 安い」の場合はどうなるでしょうか。
この場合「大阪にある彫金の安いお手頃なエアコンクリーニングを探している」というニーズが顕著に現われており、当然コンバージョン率も高くなります。
つまり、ロングテールキーワードは購買意欲の高い人を集客できるため、商品・サービスを売るのに適しているといえますね。
検索意図に合致した記事を書きやすい
ロングテールキーワードは読者の検索意図を満たす記事を書きやすいというメリットがあります。
「コーヒー 淹れ方 初心者」と検索する人は、初心者だけどおいしいコーヒーを淹れたいのだろうと容易に推測できますよね。
これが「コーヒー」というキーワード単体になると、おすすめのインスタントコーヒーが知りたいのか、コーヒーの歴史が知りたいのか、近くのコーヒーショップを探しているのか…… わかりにくいです。
ロングテールキーワードは読者のニーズ(困りごとや知りたいこと)を容易に把握できるため、検索意図に沿った記事を書きやすいという利点があります。
検索意図に合ったコンテンツは検索順位が上がりやすいとともに、読者の満足度も高まるためコンバージョンが発生しやすいでしょう。
キーワードの数が多い
ロングテールキーワードは、さまざまな組み合わせパターンが存在するため、その数も膨大です。
ビッグキーワードと比べて、はるかにたくさんのキーワードが存在します。
そのため、ロングテールキーワードを狙って記事を書けば、ネタ切れを起こすことは少ないでしょう。
ライバルサイトとの競合も避けられるとともに、ニッチなお宝キーワード(競争率が低くコンバージョン率が高いキーワード)を見つけることもできます。
ロングテールキーワードのデメリット
ロングテールキーワードのデメリット(短所)についてみていきましょう。
アクセス流入は少ない
ロングテールキーワードは検索ボリュームそのものが小さいため、上位表示できたとしても大きなアクセスは期待できません。
検索ボリュームが小さいほど競合が少なくなるため上位表示できる確率は上がりますが、需要が少なすぎるキーワードは誰にも読んでもらえない可能性があります。
そのため、ロングテールキーワードでアクセスを増やすには、コンテンツ(記事)の制作量を増やしてアクセスを積み重ねていくことが必要になります。
成果が発生するまで時間がかかる
前述のとおり、ロングテールキーワードは検索ボリュームが小さいため、1つ1つのコンテンツ(記事)ではなかなかアクセスが増えません。
そのため、アフィリエイトなどの成果が発生するまでには時間がかかる点がデメリットです。
たとえばCTR1%、CVR10%のアフィリエイト広告があったとします。
月間1万アクセスが見込めるビックキーワードであれば、月に10件の成果が発生する計算になりますよね。
しかし月間100アクセスしか見込めないロングテールキーワードの場合、1件の成果が発生するまでに10か月かかる計算になります。
月間1万アクセス × CTR1% × CVR10% = 10件の成果
月間100アクセス × CTR1% × CVR10% = 0.1件の成果
繰り返しになりますが、ロングテールキーワードは、コンテンツ(記事)を積み重ねてコツコツとWebサイトを成長させていくことが基本戦略です。
根気をもってコンテンツ制作を続けていくことが重要ですね。
ロングテールキーワードの選び方
ロングテールキーワードの選び方について解説します。
Webサイト全体のテーマとなるビッグキーワードを決める
まずはWebサイトのテーマ(ジャンル、分野)を明確に決めることが大切です
サイト全体で狙うキーワードは、テーマに沿ったものであるとともに、「転職」や「キャンプ」など検索ボリュームの大きいビッグキーワードに定めましょう。
この時点で検索ボリュームが小さいテーマを選んでしまうと、そこから派生するロングテールキーワードはさらに検索需要が小さいものになってしまい、アクセスを集めるのに苦労してしまいます。
サジェストなどの関連ワードからキーワードを選定
サジェストキーワードとは、GoogleやYahoo!などの検索窓に語句を入力した際に、自動で予測表示される「検索候補」のキーワードです。
たとえばGoogleの検索窓で「SEO」と入力すると、下に「SEO とは」「SEO 対策」といった言葉が出てきます。
これがサジェストキーワードです。
サジェストキーワードには、最初に入力したキーワード(ビックキーワード)よりも検索ボリュームの少ないロングテールキーワードが表示されます。
また、入力したキーワードとの関連性が高く、一般的によく検索されているワードが出現するため、ロングテールキーワードのなかでも需要のあるキーワードを探すことができます。
また、このサジェストキーワードのほかにも、「関連キーワード」「再検索キーワード」なども、ロングテールキーワードの候補を探すために役立ちます。
これらの検索キーワードの種類については、下記の記事でもくわしく解説しています。
【検索キーワード】の調べ方・選定方法・効果的な活用のしかたを徹底解説
- WordPressの使い方/操作方法
ロングテールキーワードを探す方法には、検索エンジンのサジェスト機能のほかにも、さまざまなツールが存在します。
ロングテールキーワードを調べるツールは後述していますので、必要に応じて使い分けてください。
検索ボリュームを調べキーワードを決定
「Googleキーワードプランナー」などのツールを使って、候補に挙げたキーワードの検索ボリュームを調査しましょう。
キーワードプランナーを使った検索ボリュームの調べ方についてはこちらをご参照ください。
ボリュームが大きすぎると強い競合が多くなるため、検索上位が狙いにくくなります。
逆にボリュームが小さすぎると、たとえ検索上位に表示されたとしてもまったくアクセスが集まりません。
どのくらいの検索ボリュームを狙うべきかは、攻略するジャンルやそれぞれのキーワードの競合状態によっても違ってくるので一概にはいえませんが、
少なくとも月間数十以上、多くても1万未満くらいが目安となります。
実際にそのキーワードで検索してみて、検索上位を強い競合(企業の公式サイト、オウンドメディアや大手キュレーションサイト、出版社や新聞社、専門機関や国・自治体サイトなど)が占めていないかどうかも、重要な判断の基準になります。
強い競合が多いキーワードは、たとえ検索ボリュームの少ないロングテールだとしても、上位表示は難しくなります。
ディレクトリ構造に沿っているか意識する
ロングテールキーワードを選ぶときは、ディレクトリ構造を意識しましょう。
ディレクトリ構造とは、フォルダやファイルを整理するときの構造です。
Webサイトにおいてはトップページにあるビッグキーワードを第一階層として、ミドルキーワードやスモールキーワードなどのロングテールキーワードが下の階層にぶら下がる形で構成されています。
きれいに整理され、関連するコンテンツ(記事)同士がそれぞれ内部リンクで繋がれた最適なディレクトリ構造は、探したい情報をスムーズに発見し行き来することができるため、ユーザビリティの改善に役立ちます。
また、検索エンジンのクロールやインデックスにも有利に働き、SEOにも強くなるでしょう。
ロングテールキーワードを調べるツール
ロングテールキーワードを調べるには、サジェストキーワードなどの関連ワードや、それぞれのキーワードの検索ボリュームを調べる必要があります。
ロングテールキーワードを調べる際に役立つおすすめのツールを紹介します。
Googleキーワードプランナー
料金 | サジェスト調査 | 検索ボリューム調査 | 特徴 |
---|---|---|---|
無料 | ○ | ○ |
|
Googleキーワードプランナーは、無料でキーワードの検索ボリュームが調べられるツールです。
ただし、利用するにはGoogle広告のアカウントを取得する必要があります。
Googleの公式ツールなので、検索ボリュームの数値の信ぴょう性が高いことが大きな特徴です。
デメリットとしては、広告を出していない場合、検索ボリュームは「1000~1万」などのように、ざっくりとした数値しか表示されない点です。
また、調査する手順が他ツールにくらべて面倒な点もデメリットといえます。
キーワードプランナーの詳細や使い方については、下記の記事でもくわしく解説しています。
キーワードプランナーとは? 導入方法や使い方を初心者向けに解説
- WordPressの使い方/操作方法
ラッコキーワード
料金 | サジェスト調査 | 検索ボリューム調査 | 特徴 |
---|---|---|---|
無料 有料版あり(999円~/月) |
○ | △ (有料版のみ) |
|
ラッコキーワードは簡単にサジェストキーワードを調べられる無料ツールです。
検索窓にキーワードを入力するだけでサジェストが表示されるので、初心者でも気軽に利用できます。
登録なしでも利用できますが、1日5回までの検索回数の制限があります。
ログイン会員は無料で制限なく検索できるので、多数のキーワードを調べたい人はログイン会員になるのがおすすめです。
サジェストキーワード自体は無料版でも調査できる一方、検索ボリュームは有料版でないと調査できない点がデメリットとなります。
サジェストキーワード調査
料金 | サジェスト調査 | 検索ボリューム調査 | 特徴 |
---|---|---|---|
無料 | ○ | ○ |
|
サジェストキーワード調査ツールは、サジェストキーワードが50音順、アルファベット順に表示される無料ツールです。
「検索するキーワード」に入力した月間検索ボリューム(月間検索数)も調べることができます。
利用する際にはサイトにアクセス後、開発者である柏崎剛氏のX(旧Twitter)アカウントにて、毎週更新されるパスワードを取得し入力する必要があります。
【サジェストキーワードの調査】ボタンを押下すると、再検索キーワードや月間検索ボリュームが表示されます。
検索結果の画面がシンプルで見やすいため、素早くサジェストキーワードが把握できます。
aramakijake
料金 | サジェスト調査 | 検索ボリューム調査 | 特徴 |
---|---|---|---|
無料 | ○ | ○ |
|
aramakijake(アラマキジャケ)は簡単に検索ボリュームが調べられる完全無料のツールです。
詳細な検索ボリュームのほかに、各順位に表示された際に見込まれるアクセス予測数が表示されたり、競合の検索数予測を調べる機能もあります。
会員登録の必要がなく、ワンクリックで簡単に利用できる点もメリットです。
UberSuggest
料金 | サジェスト調査 | 検索ボリューム調査 | 特徴 |
---|---|---|---|
有料版あり(2999円/月) | ○ | ○ |
|
UberSuggest(ウーバーサジェスト)は海外のツールですが、日本語にも対応していて検索ボリュームを調べるのに便利です。
検索ボリュームやSEO難易度もわかり、本格的なビジネスの場面で使われることも多いツールです。
無料版では1日の検索回数が3回までと制限があります。
ロングテールキーワード まとめ
本記事では、ロングテールキーワードのメリットと選び方を解説しました。
ロングテールキーワードは大きなアクセス流入は期待できませんが、強い競合が少ないため上位表示させやすく、積み重ねることでWebサイト全体の強化が可能です。
ロングテールキーワードを選ぶときは、ディレクトリ構造を意識して、Webサイト全体のテーマとなるビッグキーワードに繋がるようにしましょう。
時間がかかり根気も必要なロングテールキーワード戦略ですが、個人メディアがSEOで戦うには必ず押さえておきたい戦略の一つです。
今回紹介したツールを活用しつつ、ロングテールキーワードの攻略を進めていきましょう。
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