ドメイン移管について解説します。
ドメインとは、Webサイトの住所にあたるものです。
独自ドメイン(自分だけが使えるドメイン)を取得してWebサイトを作成すれば、独自メディアとしての愛着が生まれますし、自分だけの資産としての価値が高まりますね。
そして、Webサイトを運営していると、独自ドメインの管理会社を他に移管したいケースが出てくる場合があります。
本記事では、ドメイン移管のメリットやドメイン移管が必要になるケース、ドメイン移管の具体的な方法について解説いたします。
また、ドメイン移管がうまくいかないケース、発生しやすいトラブルと、これらの解決方法について紹介します。
- ※本記事で紹介している情報は執筆時点のものであり、閲覧時点では変更になっている場合がございます。また、ご利用の環境(ブラウザ、サーバー、プラグイン、テーマ、またはそのバージョンや設定、WordPress本体のバージョンや設定など)によっては本記事の情報通りに動作しない場合がございます。あらかじめご了承ください。
目次
ドメイン移管とは
ドメイン移管とは、現在利用している独自ドメイン名は変更せずに、ドメインの管理会社だけを別の管理会社に変更することです。
具体的には、Webサイト開設時に取得した独自ドメイン名「○○○.com」はそのままに、ドメイン管理会社を「A社」から「B社」に乗り換える(引き継ぐ)というものです。
ドメイン移管のメリットは、ドメイン管理会社によって料金やサービスが異なるため、毎年の更新料金を節約できたり、更新手続きの簡略化をおこなったりするという点にあります。
ドメイン管理会社(レジストラ)とは |
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ちなみに、ドメイン移管と混同されがちなものに、サーバー移行(サーバー移転)がありますが、これらはまったく異なる作業です。
サーバー移行は、現在のレンタルサーバーを、別のレンタルサーバーに乗り換えることです。
サーバー移行の際に、サーバー契約とドメイン管理会社が別会社であれば、ドメイン移管の必要はありません。
なお、WordPressのドメイン名を変更する方法については下記の記事をご覧ください。
WordPressのドメインを変更する方法!プラグインあり・なし両パターンで解説
- WordPressの使い方/操作方法
ドメイン移管が必要になるケース
ドメイン移管が必要になる主なケース(以下3つ)を紹介します。
レンタルサーバーを移行する時
まず、レンタルサーバーを移行する際に、レンタルサーバーとドメインを別々の業者で契約している場合は、ドメイン移管する必要はありません。
レンタルサーバーのIPアドレスが変わるため、DNS設定を変更するだけでOKです。
DNS(ドメイン・ネーム・システム)とは |
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しかし、レンタルサーバーを移行する際に、元のレンタルサーバーにおいて無料独自ドメインをセットで契約している場合(キャンペーン特典なども含む)は、
移行元のレンタルサーバーを解約すると、無料ドメインの適用も解除されてしまいます。
そのため、この場合は同じドメイン名を使い続けるにはドメイン移管が必要です。
レンタルサーバーによっては、解約後も独自ドメインを継続利用できる業者もありますが、無料ではなく更新料金がかかってしまいます。
したがって、通常は元のレンタルサーバーから移行先のレンタルサーバー、または料金が安いドメイン管理会社にドメイン移管したほうが便利でお得です。
ドメインにかける費用を見直したい時
現在利用しているドメインが無料ではなく、毎年ドメインの更新料金を支払っている場合、ドメイン管理会社を見直すと費用を節約できる可能性があります。
とくに複数サイトを運営している場合は、節約効果が大きくなります。
たとえば、年額2,000円の更新料金を支払っている場合、年額1,000円で利用できるドメイン管理会社に移管すれば、その差額分(1,000円)が節約できますね。
A社:年額2,000円
↓(ドメイン移管)
B社:年額1,000円(差額1,000円節約)
年額1,000円では大きな節約にはなりませんが、今後10年間サイト運営を続けていけば1万円(1,000円 × 10年)の節約になります。
例:10年間のドメイン費用(1サイト):1万円(1,000円 × 10年)
また、複数サイトを運営している場合は、1万円 × サイト数のコストカットができるため、節約効果も大きくなります。
例:10年間のドメイン費用(5サイト):5万円(1万円 × 5サイト)
複数サイトを運営している場合は、ぜひ見直しをおすすめします。
複数ドメインを一括管理したい時
複数のWebサイトを運営していて、それぞれのドメインの管理会社が別々の場合、管理に手間がかかります。
たとえば、ドメインの利用期限の確認や更新手続き(料金の支払い)をおこなうときに、いちいちそれぞれのWebサイトにアクセスしなければなりません。
ログインIDやパスワードを使い分けるのも面倒です。
複数ドメインを一括管理するメリット |
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このような場合は、ドメイン管理会社を1つにまとめると管理が楽になります。
ドメイン移管にかかる時間
ドメインの移管作業は準備から完了まで、数日~数週間ほどの時間がかかります。
移管元および移管先のドメイン管理会社の対応によっては、もっと長い期間がかかる場合もあります。
そのためドメイン移管を検討している場合は、早めに準備をおこないましょう。
また、以下のケースではドメイン移管ができないので注意してください。
ドメイン移管ができないケース | 対処方法 |
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ドメインを取得してから60日未満 |
60日経過後にドメイン移管が可能となる |
ドメインの有効期限が14日以内 (JPドメイン(.jp)の場合は30日以内) |
ドメインの有効期限を延長してから、ドメイン移管をおこなう |
ドメインの有効期限が切れている |
移行先のドメイン管理会社でドメインを取り直せばOK(ただし、同じドメイン名を取得できるとは限らない) |
なお、ドメイン管理会社によっては上記以外の制限事項を設定している場合もあります。
移管元のドメイン管理会社で確認しておきましょう。
ドメイン移管でかかる費用
ドメイン移管にかかる費用は1,000~3,000円前後が一般的です。
具体的な料金は、ドメイン管理会社とドメインの種類(「.com」「.net」「.jp」など)で異なるため、移管先のドメイン管理会社で確認しましょう。
たとえば、ConoHa WINGでは以下のとおりドメイン移管料金が設定されています。
- ※ConoHa WINGのドメイン料金表を一部抜粋したもの。詳細はこちらのページから確認してください。
なお、ドメイン管理会社やレンタルサーバー会社が、レンタルサーバーとドメインの両方の引っ越しでドメイン移管料金と更新料金を永久無料にするというようなキャンペーンを開催している時もあります。
このようにドメイン管理会社やレンタルサーバー会社がおこなっている各種サービスやキャンペーンはできるだけ利用すると良いでしょう。
ドメイン移管の流れ
ドメイン移管作業の流れを以下の手順に沿って説明します。
なお、ConoHa WINGにドメインを移管する場合は、こちらの公式ページをご覧ください。
ドメイン移管の前にする準備
まず、移管元のドメイン管理会社のサイトで以下の情報を確認しておきましょう。
(1)ドメイン取得日と有効期限の確認
ドメインの契約状態によって、ドメイン移管ができないケースがあるため、以下の日付を確認します。
確認項目 | 確認内容 |
---|---|
ドメイン取得日(利用開始日) |
ドメイン取得後60日以上経過していること |
ドメイン有効期限(利用期限) |
ドメインの有効期限が15日以上(JPドメインの場合は31日以上)残っていること |
(2)ドメインのWhois情報の確認
Whois情報とは、ドメイン登録者の個人情報(氏名、住所、メールアドレスなど)のことで、ICANNという機関で一般公開が義務付けられています。
ただし、個人情報を公開したくないユーザーのために、ドメイン管理会社が代理して自社の情報を登録しているースが多いです(Whois代理公開サービス)。
しかし、ドメイン移管する際には、Whois情報に自分の個人情報を設定しておく必要があります。
そのためWhois情報が、自分の現在の個人情報になっているかどうかを確認しておきましょう。
現在のドメイン管理会社に連絡する
次に、現在のドメイン管理会社でドメイン移管の手続きを開始します。
手続きはドメイン管理会社のサイトからできるはずですが、手続き方法がわからない場合はドメイン管理会社に連絡・依頼してください。
なお、移管するドメインがJPドメイン(.jp)の場合は以下の(1)のみ、それ以外のドメインの場合は(1)~(3)の手続きが必要です。
(1)Whois代理公開サービスの解除
ドメイン移管する際には、Whois代理公開サービスを解除して、自分の個人情報に変更します。
なお、Whois情報が不正に書き換えられないようにロックされている場合(Whoisプロテクト)は、それも解除しておく必要があります。
(2)ドメインロックの解除(JPドメイン以外)
ドメインロック(レジストラロック)とは、不正なドメイン移管を防ぐための仕組みです。
ドメインロックされた状態では、ドメイン登録者でもドメイン移管ができないため、手続きを始めるまえに、ドメインロックを解除しておかなければなりません。
ドメインロックの解除方法は、移管元のドメイン管理会社で確認してください。
(3)AuthCode(認証キー)の確認(JPドメイン以外)
AuthCode(オースコード)とは、ドメインに割り当てられた認証キーのことです。
ドメイン移管にはAuthCodeの認証が必要になるため、手続きの前に確認しておきましょう。
AuthCodeは移管元のドメイン管理会社で確認/発行することができます。
新しいドメイン移管先で手続きをする
移管元のドメイン管理会社の手続きが済んだら、移管先のドメイン管理会社の手続きを開始します。
具体的な手順は、ドメイン管理会社によって異なりますが、一般的には以下のような手順になります。
-
- ステップ1
- 申請スタート
-
- ステップ2
- 移管するドメイン名の入力
-
- ステップ3
- ドメインの認証(JPドメイン以外はAuthCodeによる認証が必要)
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- ステップ4
- お客様情報の入力
-
- ステップ5
- 支払方法の選択/料金の支払い
-
- ステップ6
- 確認・申し込み完了
申し込み完了後、Whois情報に登録したメールアドレスに、「移管承認依頼」が届くので、メールの指示にしたがって、「移管承認作業」を完了してください。
その後は、移転先のドメイン管理会社がドメインの移管作業を進め、完了すると「移管完了通知」が届きます。
ドメイン移管でよくあるトラブル
ドメイン移管で発生しやすいトラブルについて説明しておきます。
よくあるトラブルは以下の3つです。
ドメイン登録から60日経っていない
ドメイン登録日(ドメインを取得した日、利用開始日)から60日以上経過していない場合は、ドメイン移管はできません。
その場合は60日以上経過するまで待つしかありません。
ドメイン移管が可能な条件 |
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また、ドメインの有効期限が15日以上残っていない場合もドメイン移管できません(JPドメインの場合は31日以上)。
この場合は、現在利用しているドメイン管理会社でドメインの有効期限を延長してから、ドメイン移管手続きをおこないましょう。
移管承認の作業が完了していない
これはよくあるケースです。
移管先のドメイン管理会社でドメイン移管作業を進めるためには、Whois情報に登録されたドメイン登録者の承認が必要です。
そのため、移管先のドメイン管理会社から届く、移管承認依頼メールにしたがって、移管承認作業を実施しなければなりません。
移管承認作業とは? |
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移管先の申込み完了後、数日たっても、「移管承認依頼」のメールが届いていない場合は、メールを見逃していないか、または、迷惑メールに振り分けられていないか確認してください。
Whois情報に不備がある
Whois情報の不備が原因で、移管作業が進まなかったり、拒否されたりするケースもあります。
Whois情報に不備があるケース |
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移管元のWhois代理公開サービスを解除していない場合、前述した移管承認依頼メールが届かないので(移管元のドメイン管理会社に送信されてしまう)、ドメイン移管作業が進みません。
また、代理公開サービスが解除されていても、登録されているメールアドレスが間違っていると、自分の元には届きません。
メールアドレスだけではなく、Whois情報の氏名や住所の誤りで移管手続きが拒否されてしまう場合もあります。
このようなトラブルを防ぐために、移管元のドメイン管理会社のサイトでWhois情報をしっかりと確認しておきましょう。
ドメインの移管方法まとめ
ドメイン移管は、費用の節約や管理の一元化ができるというメリットがあります。
そのため独自ドメインを利用している場合は、一度ドメイン移管を検討してみると良いでしょう。
ただし、ドメイン移管の手順をよく理解せずに手続きを始めてしまうと、トラブルが発生しやすくなります。
本記事を参考に、ドメイン移管が必要なケースや移管方法を把握しておきましょう。
なお、ConoHa WINGにドメイン移管をする際の手順は、ご利用ガイド「ドメイン移管(IN)する」を参照してください。
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